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ふたりごと文庫 みんなの「”あの人”に知ってほしい!」をつなぐオンラインマガジン

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2016年03月18日

野鳥のレストランにようこそ

初めまして、「シイラ」と申します。高知で新聞記者をしております。
縁あって、ふたりごと文庫に参加させていただくことになりました。
日本のいいものを共有する。その輪に加われてうれしいです。
皆さんともご縁が深まれば幸いです。

シイラとは、高知だけでなく世界中でとれる魚です。
ハワイではマヒマヒと呼ばれるのをご存じの方もいらっしゃることでしょう。
船に揚げられた時は黄色や緑っぽい体で次第に色あせていくのですが、
泳いでいる時はエメラルドグリーンというかコバルトブルーというか、
とにかく美しい色なのです。これは漁の現場に行かないと見られません。
いや、そんな後ろ向きの言葉は使いたくないもの。
現地に行って美しいもの、いいものに触れよう。
そんな心意気を皆さんと共有する意味を込めて、こう名乗ることにしました。

さて、先日高知では「小さな野鳥のレストラン」が話題になりました。
野鳥が見えるレストランかと思いましたが、そうではありません。
お客様が野鳥のレストラン。
お店は高岡郡四万十町大正にある
「四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター」の一角にあります。
ヤイロチョウとは高知県の鳥にもなっている、非常に美しい鳥。
ヤイロは「八色」を意味し、とてもカラフルな体です。
レストランは冬の餌不足の補完と来場者の観察の場づくりが目的です。

高知県の小さな野鳥のレストラン

レストランの食器(バット)には餌が入っています。
床にはふかしイモが置かれています。
周囲の木々にはミカンが刺してあります。
水が飲める鉢もあります。
軒にはヒマワリがぎっしり詰まったペットボトルが吊るされています。
お客様はヒヨドリ、シロハラ、スズメなど。
私たちギャラリーはガラス越しにお客様が食事される様子を観察することができます。
私たちが行った日はヤマガラ、シジュウカラも見えました。

高知県の小さな野鳥のレストラン

最初は鳥がいないように見えます。
しかし近くの植え込みの枝先が揺れたり、
枝の間に鳥がいることに気付いたりしだします。
しばらく待っていると鳥がテーブルやベンチに止まり食事をします。
と言っても周りを警戒しながらですので、
好みの餌をくわえて近くの木に戻ってしまったりもします。
それでも目で追える距離です。

高知県の小さな野鳥のレストラン

気付いてさえしまえば目で追えるのです。
しかし気付くかどうか、見ようとするかどうかで風景は違って見える。
実は私たちの日常も自分たちが思う以上に彩りにあふれているのかもしれません。
私たちが決して怠けているわけではないのですが、
つい「忙しい」「無理だ」と視野が狭くなってしまいがちです。
そんな中でも休憩がてらでいい。
ほんの一瞬、立ち止まったり、手を休めたりしたいものです。
ご興味がある方はぜひ野鳥のレストランに足を運んでみてください。

高知県の小さな野鳥のレストラン

ニッポン手仕事図鑑 シイラ

名前:シイラ
職種:新聞記者
出身:神奈川県

3人と黒柴1匹で、高知県で暮らしています。
長距離走と野球観戦が好きです。
白壁の建物、懐かしいユニフォームの野球カードを眺めるのが至福のひととき。

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