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ふたりごと文庫 みんなの「”あの人”に知ってほしい!」をつなぐオンラインマガジン

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2018年02月20日

職人の町、富山県高岡

はじめまして。
滋賀県立大学人間文化学部生活デザイン学科三年生のおーたあかりです。

簡単に言えば、びわ湖のほとりの大学で、生活に関わるデザインについて学んでいます。

 

私は生まれも育ちも滋賀、大学も滋賀、
生粋の滋賀県民です。

滋賀県と言えば琵琶湖。
……そう、琵琶湖しかありません!

強いて言うならひこにゃん、信楽焼のたぬき、鮒ずし……
琵琶湖以外で有名なものなんてそのくらい。

「滋賀県って関西弁なんだ〜」
と、大学に入った当初関東出身の子に言われたセリフは衝撃的でした。
(めちゃめちゃ関西弁やで!!!)
全国的な滋賀県の認知度なんてそのくらい。

まぁ何もないし。

 

と滋賀県を蔑んで言ってきましたが、本当はとってもいいところです。
一生暮らしたいのは断然滋賀です。

滋賀の人は自分たちでよく地元をばかにして言いますが、愛情の裏返しっていうアレです。
私の知っている限り、大体の人は滋賀のことが大好きですね。

 

 

▲大学の近くから撮った琵琶湖

そんなツンデレな私ですが、滋賀以外にもう一つ、大好きなところが出来ました。
その惚気をさせていただきます。

今回ふたりごと文庫さんに寄稿させていただくことになったのも、
そこでの偶然なご縁からでした。

 
 

富山県高岡市

 
 

高岡は加賀藩二代目藩主前田利長によって築かれた高岡城のお膝元、城下町として栄えた町です。
高岡銅器や高岡漆器などをはじめとした伝統産業が盛んで、今でもその職人の技術を受け継いだ、ものづくり職人の町。

今回紹介させていただくのは、この町で伝統の技を受け継ぐ職人さんの若手が集まる高岡伝統産業青年会、通称伝産。

 

 

▲高岡伝統産業青年会
謳い文句は「ガラは悪いが、腕は良い。」

初めての出会いは、伝産で主催されている『伝産の学校』でした。
学生にもっと高岡の伝統産業を知ってもらいたいという思いから、2017年の2月に全国の美大生を対象に行われた第一回目の取り組みで、
その際に参加したのがきっかけです。

 
 

その頃の私は、もうすぐ大学三年生で就職について具体的に考えなければならない時期になるにも関わらず、

夢ややりたいことが全く見つけられずに焦っていました。

まずは動いてみたら何か見つけられるのではないかという思いから、思い切って応募をすることにしました。

 

そんなこんなで始まった伝産の学校では、一日目はコースに分かれていくつかの工場を見学、
二日目には少人数に分かれて各工場で職場体験をさせていただきました。

▲体験先「佐野政製作所」

鋳物では金属を溶かし型に流し入れるところ、研磨するところ、着色するところなど。
漆器では貝殻で加飾していく螺鈿細工をしているところ、彫刻塗りの技術を活かしたテクスチャーの展開など。

職人さんから直接説明をしていただきながら、様々なお仕事を近くから見ることができました。

 
 


 

 

 

 

 

 
 

初めて見る高岡の職人さんの仕事、どれも新鮮でワクワクが止まりませんでした。

 

高岡の伝統産業は工程別に分業制のため、それぞれに得意分野・専門分野があります。
鋳造するところは鋳造!着色するところは着色だけ!という感じです。

そのため、他の職人さんとのつながりと協調も大切になります。
だからこそ違う職場の職人さんでもみなさん仲が良く、それだけではなく互いに尊敬されているのがよくわかります。
そんないつもの関係性があるからこそ、初めて会う私たちも巻き込まれて(もちろんいい意味で!笑)、
様々な職種の職人さんと気軽に話すことができました。

 

 
 

そして何より、高岡の職人さんたちは学生だからと甘く見るのではなく、ちゃんと一人一人と向き合ってくれます。
終わった後には遅くまでお酒を飲みながら熱く語り合ったり、ふざけて笑ったり。

職人さんはもちろん、ここで出会った人たちと今でも連絡を取り合っています。むしろこの1年で何回も会っています。笑
そんな友達ができたことも、伝統の技を身近に感じられたことも、高岡という町が知れたことも、そもそもは伝産の方々に出会えたことから始まりました。

 

だからいつも原点に戻ると思うことが
「伝産ありがとう」
本当にただただこれだけです。

 
 

思えば高岡にいる時はいつも、時間なんていくらあっても足りないくらい有意義な時間を過ごしています。
職人さんたちも「業務でやってますから。」って感じが全くしないんです!
だからとっても楽しい!!

「職人」と聞くと堅物で喋るのが苦手といったイメージをしやすいですよね?
本当はそんなことは全くなく、皆さん親切で気軽に話しやすい雰囲気の方ばかりです。

 
 
 
 

思い出話が多くなってしまいましたが、何が言いたいのかというと、
伝産の方々は素敵な方ばかりだということ、そして高岡という町の特徴がそのような雰囲気を作りあげているのだということ。

またすぐに帰って来たくなるそんな町。
誰もを自然に受け入れ、溶け込ませてくれるかのように心暖かいのです。

 

そして帰るときはいつも
「またこられ」
と富山の可愛い方言でお見送りしてくださいます。

またおいでねって意味です。その時いつも思います。絶対また来ます!帰って来ます!!って。

 
 
 

ということで、本当にまた行くことになりました。笑

9月の高岡クラフツーリズモというイベントにも参加し、そして今年の2月に開催された第2回目の伝産の学校にも参加してきました!!

 

▲体験先「瀬尾製作所」

 

 
 

このように伝産では様々なイベントなどを通して、たくさんの人にこの町の伝統産業を知ってもらう取り組みをされています。
学生に特化したものもあれば、年齢関係なく誰でも参加しやすいものもあり、
また東京などで展示や体験型のイベントも行われています。

 
 


 

▲錫の鋳物体験
 
 

私のように高岡の虜になってしまい、何度も行っている人もたくさんいます。(むしろ私は少ないくらいです…)
いい意味で中毒性のある町。ですね!

 
 

私もぜひ多くの人に高岡について知ってもらいたい。実際に触れてもらいたい。

その思いから今回、9月のクラフツーリズモでのふたりごと文庫さんの関係者の方とのご縁もあり、
ここに言葉で残させていただきました。
高岡での出会いに悪いものがあるはずがない!
伝産ありがとう。

 
 
 
 

と、私の長い惚気話を聞いてくださり、ありがとうございました。

すぐ帰って来たくなる、すぐ会いたくなるこの町は、
私にとって第二の故郷でもあり、遠距離恋愛の恋人のような存在かもしれません。
これからも大切にしていきたいです。

ぜひいいライバルになってください。笑

名前:太田明里
職種:大学生
出身:滋賀県守山市

さまざまなコトやモノ、そしてヒトに関わりながら、自分のテーマを模索中。

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