図鑑
岐阜提灯職人|オゼキ
美濃地方の良質な美濃紙や竹を素材としている岐阜提灯。秋草や風景の描かれた火袋に灯が入ると、上品な風情を醸し出す。明治初期から岐阜提灯の製造を行なってきたオゼキは、細い竹ひごを張型に巻き、火袋に直接絵付する高度な技術のほか、伊勢型紙で和紙に彩色していく「摺込絵」の技法で量産化と近代化に貢献。戦後にはイサム・ノグチがオザキの技術で「AKARIシリーズ」を発表し、世界中から光の彫刻と絶賛された。時代と向き合い革新を追求する老舗の心は今も健在。熟達した美しい技から生み出される明かりは、今日も人々に安らぎを与える。