図鑑
1590年代の終わりに、前田利家が尾張国瀬戸から陶工を招き、焼き物を作らせたのが越中瀬戸焼の歴史の始まり。それから430年以上、富山県立山町新瀬戸地区で作り続けられ、最盛期には120を超える窯元があったが、現在では数軒を残すのみとなった。その歴史を受け継ぐ職人のひとりが、釋永由紀夫だ。国内外でファンが多く、アップル社の故スティーブ・ジョブスも釋永の作品を愛した一人である。その父から技術を受け継いだ、娘の釋永陽。父とは異なる感性を活かしながら、今日も自然に包まれた自身の工房で、心地よい作陶の音を響かせる。