図鑑
一位一刀彫職人|津田彫刻
岐阜県の県木である一位(イチイ)の木を、ノミだけで彫り上げる一位一刀彫。「一位の木」の語源は、約800年前の天皇即位の際に献上した笏の木目の美しさと質の高さが認められ、「正一位」という最高位を与えられたことが始まりと言われている。その一位の木の外側の「白太」と内側の「赤太」の絶妙な色合いを活かし、津田彫刻の初代でもある松田亮長(すけなが)は、飛騨の地で一位一刀彫を生み出した。それから、180年。天保14年から続く亮長の斬新なデザインと鋭い刀痕は、六代目の津田亮友と弟の亮佳にしっかりと受け継がれている。