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2018年08月23日

【連載】#2 今、地方でワカモノが求められていること。

こんにちは、ゆーまにわ代表で岡山県真庭市地域おこし協力隊の橋本です。
前回の記事ではゆーまにわ全体について書かせていただきましたが、
今回はゆーまにわの活動から見えてきた「地方の課題と可能性」について書かせていただきます。

田舎って本当にいいところなのだろうか。

 

昨年の夏に、私の協力隊着任以来最初の大きな仕事として、
真庭夏合宿』という学生対象合宿企画を開催しました。

この企画は全国から学生が集まり、
2泊3日で岡山県真庭市内各地にて活躍されている方々を訪ねて、
最終的に冊子という形にみんなでまとめるというものです。

TURNSさんにも取り上げていただくなど様々反響をいただき、
最終的に一定の体裁は整いました。

そして、これがゆーまにわ設立のきっかけとなりました。

今から振り返ってみれば、考えも企画自体も甘いところばっかりで、
今の自分がプロジェクトチームに入っていたら「意味わからない」と全部ボツにしそうな中身でしたが、
当時の市役所の方々は優しくて、全面的に応援して多くの面で手伝ってくださいました。

真庭市に来て数か月の若造が甘ったれた企画持ってきたけど、
一度やらせてみればわかるだろう、
くらいの気持ちで見守ってくださったのでしょうか。

結果としてそれが現在ゆーまにわの設立から発展にまで繋がっているので、
当時の担当者の方には本当に頭が上がりません。

 

余談ですが、真庭市の市役所の方々は本当にすごいです。
地域おこし協力隊員と市役所側がバチバチやりあうという、
“地域おこし協力隊あるある”不動の一位を誇る軋轢もほとんどなく、
基本的にやりたいことを理解してサポートをしてくれます。

頑張っている人の邪魔をしないで背中を押してくれる。

これは文字にすれば至極当たり前のことですが、簡単にできることではありません。
むしろ話に聞く限りではできていないところばかりです。
真庭市自体が先進事例として言われることが多いのは、
間違いなく市役所の方々の縁の下の力が一番です。

 

さて話を戻して、この企画の何がよろしくなかったのか。

端的に言うと、『真庭っていいところだよね』を見せようとしすぎました。
外から学生がわざわざ来てくれるなら、
精一杯おもてなしたいという気持ちが働くのは当然です。

でも企画自体として、学生に真庭に来てもらって楽しんでもらう程度にしか考えられておらず、
今では何のためにやるのかという点において目の前の一歩しか見えていなかったなと反省しています。

で、それをやって何に繋がるの?

何をするにも一番大切な、理念の部分が欠けていました。

(恥ずかしながらTURNSさんは取材に来ていただくまで知りませんでした。今思えばすごいことですね。)

 

理念なき『ワカモノ×地方』に物申す。

 

数十年前から始まったボランティアブームは盛況で、
真庭市内にも大学生のボランティアはたくさんやってきています。

学生ボランティアを派遣する組織もあって、
それで助かっている地域もいくつもあることも事実です。

地方でよくあるパターンが、市街地から学生がやってきて地域活動を手伝い、
一緒に地域の方々手作りのご飯を食べて楽しかった!と言って、帰るというもの。

学生からは、「田舎っていいところだね」「ここの地域好きになった」などなど、
テンプレ通りの素晴らしい感想がたくさん聞けます。
派遣元には実績になります。派遣先地域も喜んでいます。
みんなハッピーで素晴らしい。

これは本当に素敵な光景ですが、一つだけ決定的に欠けているものがあることに
受け入れ側になってみて気が付きました。

それは『持続性』という単語が欠けているということ。

どれもその場の人不足というニーズを解決することばかりで、
残るのはお互いに楽しかったという記憶と受け入れ地域の大きな疲労だけ

 

人手不足の地方にこれだけワカモノがやってきているのはすごいことです。
やはりボランティアの力は偉大です。

ただ、根本的な課題は何一つ解決していません。
おそらく学生ボランティアが何人来ようが、
ただ受け入れているだけではその地域の人口は減り続け、
社会の維持は困難になるだけ
でしょう。

目の前の一歩先に楽しさを生んだところで、
十歩先どころか三歩先も変えることができていない
のが正直なところです。

目の前の一歩と数歩先の未来、どちらも大切です。
どちらも大切だからこそ、数歩先の未来も見なければいけません。
そこに理想を掲げなければいけないと思います。

(中高生の学習支援に力を入れているのも、持続性のため。将来大学生になる地域の子たちと関わる事で、ゆーまにわ自身の持続性獲得の仕組みも作っていきます。)

 

学生の能動性が、持続性を生む。

 

批評には行動が伴わなければいけません。

ここまで、ゆーまにわの活動から見えてきた『持続性のなさ』という地方の問題点について書いてきましたが、
問題点が見えているということは可能性が見えているということ。
見えてきた課題を克服すればいいだけです。
後は、行動あるのみ。

理念なき『地方×ワカモノ』で見えない未来へ向かって地方が消費されているのなら
ゆーまにわでもってそこに持続性を兼ね備えた理念を掲げればいいだけです。

私たちはその持続性のキーワードとして、能動性ということを掲げました。
能動的である限り、持続的である。

 

学生と地域の関わりにおいて大半を占める学生ボランティアでは、
最初のきっかけとしてはボランティアの募集があったからや、
知り合いの先生に誘われたからなど受動的な理由で踏み出します。

そして現状では上記で述べたように、その受動的な一歩目しか用意されていない。
それでは地域はおもてなしをする側で学生はお客さんである関係性から先に進めません。
まるで奥手な青春の恋愛のようにお互い平行線をたどってきました。

しかし中には、受動的に地域に関わったのをきっかけに
もっと地域に深く関わってみたい、今度はこんなことをしてみたい、
という能動的な好奇心が生まれる学生たちもいます。

現状ではそんな志ある学生にも、能動的な二歩目の踏み出し方が見えていない(決してないわけではないのですが。)状況です。

そしてそのまま自分の中に芽生えた熱はいつの間にか冷め、
その経験はいつの日かの素敵な地方での思い出として心の中に収まっていきます。
これはお互いにとって、もったいない。

 

だったら、ゆーまにわを使ってその二歩目を踏み出してもらおう。
能動性を持った学生が、ゆーまにわという容れ物と肩書を持つことで、
地域に関わりやすくなります。そして同時に一緒に協働する仲間もできる。

そうして初めて、地域との持続的な関わり方ができるかもしれない。

ゆーまにわが学生の能動性を妨げずに発散できる土台となることで、
ワカモノの地方への関わりに持続性を生み出していけるかも
しれません。
学生による学生自身の組織だからできることです。

(能動性を妨げない。邪魔をしない。これは僕らの組織の在り方だけでなく、地域全体の在り方として非常に大切な部分です。)

 

ゆーまにわは、学生版地域おこし協力隊。

 

最近、ゆーまにわは学生版の地域おこし協力隊だなと感じています。

何かの縁で関わった地域で自分のやりたいことと、
地域の求めていることのバランスを気にしながら能動的に活動する。
まさにそっくりです。

学生なので学業第一という大きな制限はある一方で、
学生というだけでちやほやされるという特典が付いています。

ふむ、どっちもどっち。案外いい勝負かもしれません。

 

ということは考えてみたら、私自身は学生で地域おこし協力隊となって
学生版地域おこし協力隊をつくったということになります。

さてはて、自分でもよくわからなくなってきます。

自分は何がしたいんだろう。
自分には自分にしかできないことがあって、
他の人にはそれぞれにしかできないことがあるのに、
私は今自分の経験をよしとしてクローンのようなものを作ろうとしているのだろうか。

何が正解なんてわかりませんが、悩めるワカモノというのも文字に起こすと様になるのでこれもきっと学生の特典ですね。

とにもかくにも、『行動』を指針に掲げると決めた以上、立ち止まってはいられません。

 

名前:橋本隆宏
職種:地域おこし協力隊
出身:栃木県出身

人生を面白くすることを目指しています。

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ふたりごと文庫編集長 浅野有希

ふたりごと文庫編集長 浅野 有希
産業能率大学4年生。
大学2年生の時、ニッポン手仕事図鑑のインターン生として参加し、
2周年感謝イベントや期間限定ショップのスタッフとして活動する。
現在は「日本の地方の魅力を伝える仕事」に就くため、日々猛勉強中!

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