みんなの「”あの人”に知ってほしい!」をつなぐオンラインマガジン
2016年03月01日
幸せをはこぶ、きりたんぽ。
こんにちわ!
ニッポン手仕事図鑑 チーフのてしねこです。
だいぶ日が伸びたなーって思ってたら、
今日から3月なんですね~。
少しずつ暖かくなってきましたが、
まだまだ冷たい風が吹く日が続きそうです。
普段、撮影なんかがある日は早朝に出ることが多く、
途中のサービスエリアで肉まんとか、アメリカンドッグとか、
さみーって言いながら食べるのが案外好きだったりします。
とくに寒い時期は、湯気が目立つじゃないですか
あの湯気ごと食べる感じが、何とも言えない。
近頃、そういったホットスナックを食べるたびに、
思い出すものがあるんです。
旅行のパンフレットでよく見かける。
四角い囲炉裏の真ん中に美味しそうな鍋があって、
その周りに並んでいる白い棒のようなやつ。
そう、秋田名物「きりたんぽ」
実は去年、人生初の きりたんぽ を食べました。
こんがり焼き目のついた きりたんぽ に、味噌をつけて豪快にかぶりつく、
表面がカリッとして、中はふわっと新米の甘みが広がる。
(たまたま時期がよく、地元でしか食べられない新米のきりたんぽをいただきました。)
きりたんぽ鍋なら、鶏ガラベースのスープに、
ネギやら、ゴボウやら、比内地鶏やらと一緒に、
スープが染み込んだ熱々の きりたんぽ をいただく。
これが本当に美味しかった。
平たく言ってしまうと、米が串に巻いてあるだけなんですが、
少なくても食べる前はそうとしか思ってなかったのですが、
そんな単純じゃなかった…。
そう思ったのは、食べた場所にも意味があると思う。
私が初めてきりたんぽを食べた場所、そこは秋田県鹿角市。
たまたま撮影で訪れた町ですが、
ここがきりたんぽ発祥の地だったんです。
偶然にも撮影ルートに「柳田きりたんぽ店」さんがあり、
そこで きりたんぽ がつくられる過程を見ました。
一見シンプルな作業なんですが、
米の粒感とか、均一な量を串に巻いていくとか、
その微妙な加減が難しいそうです。
さらに美味しさを見極める方法として、
きりたんぽ を窓から差し込む光にあて、
その陰影を見るんだとか…
それだけでも魅力的なんですが、
その日は500本つくっていました。
たった一時間で。
職人さん4人ですよ?
私がやったら何本つくれるだろう?
50本つくれるかな…?30本?
私が4人いても200本つくれるかどうか…。
焼く作業の時に一列に並ぶところがあるんですが、
綺麗に大きさが揃ってるんです。
それでいて手作業だから、程よい粒感やふわっと空気が混ぜ込んである。
極めつけは、お母さんたちの愛情。
この工房に男性はいなくて、
女性たちが黙々と作業をする空間。
お互いをやさしく尊重し合うつくり手、
真っ白な湯気と、香り豊かな素材が調和する
とても神秘的な景色に見えました。
人生初めてのきりたんぽが、
この場所で食べられて良かった。
友人や家族にも、私が感じたこの幸せを
ぜひ味あわせてあげたい!
コンビニに並ぶホットスナックを見るたびに、
そんな小さな夢を抱く、
てしねこでした。
次回は、大月さんがきりたんぽの新提案!?
乞うご期待。
名前:てしねこ
職種:撮影、編集、一応チーフ
出身:埼玉県川口市くだものが好き。りんごなら紅玉。
自由奔放な学生生活から、急遽の映像の世界に飛び込む。
父親と映画を見て育ったという経緯はとくに関係無い。