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2018年10月31日
想っている場所が”ふるさと” -武田昌大さんインタビュー
こんにちは、ふたりごと文庫編集室の山田帆菜です。
ふたりごと文庫編集室で発足したメディア部のメンバーで、
シェアビレッジの村長・武田昌大さんにお話を伺ってきました。
場所は、武田さんがオーナーを務めているおむすびスタンドANDONさん。
取材後にいぶりがっこのおむすびをぱくり。
チーズとの相性が絶妙でとても美味しかったです。
第3弾となる今回私が取り上げるテーマは『ふるさと』です。
秋田に戻って危機感を感じたとき、自分のふるさとを失いたくないと感じた武田さん。
地元「秋田」を拠点に動いている武田さんならではの視点で、ふるさと観についてお話してくださいました。
武田昌大さん
秋田県出身
東京のゲーム会社に就職した後、地元秋田県の活性化を決意。
2010年 若手米農家集団トラ男(トラクターに乗る男前たちの略称)を結成。
2015年 「シェアビレッジ」を立ち上げる。
2017年 おむすびスタンドANDONを東京・小伝馬町に設立
「ふるさと」は必ずしも生まれた場所ではない
―武田さんにとっての「ふるさと」ってどういうものですか?
僕らは生まれた場所がそのままふるさとって考えますが、それだけでもないんじゃないかと最近は強く思っています。
その場所に実際にいた時間の長さは関係ないと思うんです。
僕は今秋田に住んでますって周りには言っているのですが、月の半分以上は出張で秋田にはいないんです。
だから僕は「ふるさと」は暮らしている場所ではなく、想っているところだと思っています。
―想っているところですか!それなら都会出身だったり、親が転勤族の人のもふるさとはあると考えられそうですね。
「ふるさと」に縁がない人はいっぱいいると思います。
そういう人たちはこれから故郷を作っていけばいいし、自分が選んでいいと思います。
生まれた場所が都会だからというよりかは好きな、帰りたい場所や好きな人がいっぱいいる場所、落ち着く場所のようなところだと思います。
結局これらって全部気持ちに関わることです。「落ち着く」とか「懐かしい」といった気持ちを大事にすれば、故郷は都会の人でも持てると思います。
「都市の人たちの第二の故郷を作る」っていうのはシェアビレッジの目的の一つでもあるんです。
「ふるさと」という軸
―故郷への思いが「シェアビレッジ」という形にもなっているんですね。
武田さんにとっての今の故郷はやはり秋田でしょうか?
まだ18年という長さを超えた場所に住んだことがないので、ふるさとっていうと秋田ですね。
ただ、正直今僕の中で「秋田」というところは生まれた場所という認識の方が強いです。
―なるほど!それでも、秋田を「ふるさと」だと思うのには何か理由があるのでしょうか?
自分の今の人生を指し示すために生まれた場所を、「故郷」として自分の中で持っている方が進みやすいからですかね。
それに、この縛りがないと僕は解き放たれてしまう気がします。
だから、どちらかというと秋田=ふるさとって思っている方が今は動きやすいかなと思います。
―自分の中の一つの軸として「秋田」という場所があるんですね。
ちなみに、この先武田さんにとっての「ふるさと」は変わりそうでしょうか?
正直、(秋田以外に)浮気したい気持ちはめちゃくちゃあります。日本にはすごくいい地域がたくさんあるので。
だからさっき述べたように、生まれた場所、秋田を故郷として自分の中に持つようにしています。
そうでないと、「あそこにも住みたいし、あそこにも住みたい……」というように目移りしてしまいますから。
今は何をするにも、どこに行くにも秋田にどう生かせるかをずっと考えていますね。