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2018年04月17日

【こいのぼり特集】職人の手仕事と、市民の想いが大空を泳ぐー埼玉県加須市のジャンボこいのぼり

新年度がスタートしてしばらく経ちました。
皆さんの次の楽しみはゴールデンウィークではないでしょうか!!

そして5月5日は端午の節句!こどもの日ですね。
最近は大空に「こいのぼり」が多く見られます!
この風習は、江戸時代に男の子の出世と健康を願って始められたそうです。

今回はそんな全国の「こいのぼり」について特集します!
第1回目は、こいのぼり生産量日本一の埼玉県加須市から。
観光大使の「こいのぼりマン」生みの親、竹内亮裕さんです。

ここからは、竹内さんがお送りします。

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ボンジュール!
埼玉県加須市出身の竹内です。

…え? なんでフランス語?

実は僕はフリーランスのグラフィックデザイナーとして東京で過ごした後、
ひょんなこと(小指を立てて)から現在はフランスに住んでいます。

 

ま、それはさておき、なんで僕が今この記事を書いているかと言いますと、
僕がその昔、ゆるキャラとか流行ってた時に誰の依頼もなく勝手に
「こいのぼりマン」というキャラクターを作り、
そのこいのぼりマンがあれよあれよという間に加須市の観光大使になってしまったからなんです。

この「こいのぼりマン」、着ぐるみとかはないので(←こういうこと言うな!)、
加須に行ったら会えるという訳ではないんですけど、駅通りの商店街のバナーとか、
市の刊行物とかにちょくちょく出てたりするので、気になったら探してみて下さい。

こんな奴です↓

(筆者撮影。加須駅前通りにて)

 
 

皆さんも、地元あるあるじゃないですけど、
「小さい時地元にこんなのあってね」みたいなのありませんか?
いつかこいのぼりマンが加須にとってのそんなものになったら嬉しいなぁ
なんてひっそり思ってたりします。

 
 

と、ここまで聞いたら察しのいい方は気づいているかもしれません。
そう、僕の故郷加須市は、こいのぼり生産日本一を誇る「こいのぼりの町」なんです。

 

僕は幼稚園の時に、同じ埼玉の川口市から引越してきました。
小学生になったある年、僕は両親に連れられて観に行った「ジャンボこいのぼり」に衝撃を受けて、
思わず後日行われた写生会でその様を描いたら、
なんと金賞をもらっちゃったんです(はい、ちょっとした自慢です…)!

 

それから小学校を卒業するときの卒業記念品の制作。
僕達の代はステンドグラスを制作したんですけど、僕のクラスの位置がちょうど
「ジャンボこいのぼり」で、そのデザインを美術が得意だった僕が担当したんです。

今思えば、これが人生初のデザインだったんじゃないかなぁ。
まあこんな風に、幼い頃の原風景にあったのが、加須のこいのぼりだったという訳です。

 

 

(写生会の絵と卒業制作のステンドグラス)

 
 

「ちょ、ちょっと待った! さっきからジャンボ、ジャンボ言ってるけど、ジャンボこいのぼりって何やねん?」

ジャンボこいのぼりというのは、全長100mのこいのぼりを市民の手で色付けして完成させた、
文字通り「世界最大の手描きこいのぼり」なんです。

 

(筆者撮影。下のめざしのようなこいのぼりが、通常使われる最大サイズの10m)

 
 

加須はもともと手描きこいのぼりの産地で、最盛期は市内に40軒ほどありました。
しかし機械化の波を受けてナイロン地へのプリントが主流になると、
市内からはどんどん手描きこいのぼりが無くなっていきました。

そんな中、唯一手描きこいのぼりを作り続けたのが、
かつて現天皇陛下の初節句の際に手描きこいのぼりを献上した「橋本弥喜智商店」でした。

 

(筆者撮影。橋本弥喜智商店 店内)

 
 

木綿地の手描きこいのぼりには、生地の重さから来るはためいた際の重厚な音と、
手仕事による描線がまるで本当に生きているかのような印象を与える―。
そんな手仕事を求めて、やがて全国から注文が来るようになります。

そして県認定伝統工芸士の3代目・橋本隆さんの元に、
市のPRの為にと商工会議所からジャンボこいのぼりの制作依頼があったのが87年。
同店の代表作「武州ごい」を彷彿とさせるデザインを起こし、
市民一人一人の手によって色付けされ完成したジャンボこいのぼりは、88年に初めて空を泳ぎます。

 

(4世制作風景。提供:加須市)

 
 

それから今年で30年。

ジャンボこいのぼりの生みの親である橋本弥喜智商店は、
残念なことに2016年9月末で109年の歴史に幕を閉じました。
しかしその技、魂は、今もジャンボこいのぼりに受け継がれています。

現在4代目となるジャンボこいのぼりは、今年も5月3日に 利根川河川敷緑地公園で行われる「加須市民平和祭」にて泳ぐ予定です。
クレーン車を使って泳ぐ100mのこいのぼりは大迫力!
名産品などを販売するマルシェなんかも一緒に行われるので、是非足を運んでみて下さい。

職人の手仕事と市民の想いが、大空を泳ぎます。

(提供:加須市)

第9回加須市民平和祭

【開催日時】 平成30年5月3日(祝日:憲法記念日/木曜日) 9時~14時30分
※雨天時は、5月4日(祝日:みどりの日/金曜日)に順延となります。
【開催場所】利根川河川敷緑地公園(加須市大越地先)
【内容】ジャンボこいのぼり4世(全長100メートル、重さ330キログラム、目玉の直径10メートル)の遊泳
1回目11時30分頃~、2回目13時30分頃~(それぞれ天候を見ながら約30分間の遊泳) 他
 
詳しくは加須市ホームページをチェック

名前:竹内亮裕(あきひろ)
職業:グラフィックデザイナー(フリーランス)
年齢:32歳
出身:埼玉県
web:http://akihirotakeuchi.com/

ロゴデザインを中心に手がけるフリーランス・グラフィックデザイナー。シェアハウス住まい中に出逢ったフランス人と恋に落ち、渡仏。現在は南仏で妻と猫と3人暮らし。

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ふたりごと文庫編集長 浅野有希

ふたりごと文庫編集長 浅野 有希
産業能率大学3年生。
大学2年生の時、ニッポン手仕事図鑑のインターン生として参加し、
2周年感謝イベントや期間限定ショップのスタッフとして活動する。
現在は「日本の地方の魅力を伝える仕事」に就くため、日々猛勉強中!

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