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2018年07月11日

職人の生き様を、私の言語で伝えていく―ワタナベユカリ

職人魂に心を揺さぶられ、隣にいる誰かに伝えたくなる。
そんな職人の生き様を仕立てる「仕立屋と職人」さんの
個性豊かな4名の方々にリレー形式で登場してもらいます!お楽しみに。

第一弾は、モノヅクリ・ファッション担当のワタナベユカリさんです。

(photo by Tomohisa Kawase)

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note 仕立屋の日記

 

仕立屋と職人について 「職人の生き様、仕立てます。」

 

伝統工芸の職人にスポットライトを当て、職人の生き様を可視化して、
閉ざされていた世界の扉を開き、職人のファンを増やしていく。
仕立屋と職人は、そんな活動をしています。

メンバーは専門分野が異なる4人。
縫子 ワタナベユカリ (モノヅクリ、ファッション)
装飾 石井挙之 (デザイン、ストーリーテリング)
参謀 古澤恵太 (プロデュース、サービスデザイン)
運屋 堀出大介(海外展開、事業創出)

ワタナベと石井が現場に入り、今まで私たちのところまで届かなかった職人たちの声を拾い上げ、
それを東京組の古澤と堀出が職人の生き様を商流に乗せる。

得意分野が全く異なる4人だからこそできること、見えることがある。
この4人のそれぞれの視点から仕立屋と職人について、日本の伝統工芸の進む先、日本の未来、一人一人の熱いパトスを書かせていただこうと思います。

それでは、メンバーの中で一番抽象的なことばかり話すワタナベがスタートダッシュを決めさせていただきます。

いざっ!

 

ワタナベユカリついて、遠回りと無駄が武器

 

ザッと自己紹介させていただきます。(ザッと終わらないような気がする。)

(photo by chomo)

埼玉県に生まれ高校の頃からダンスを始めて、
渋谷新宿界隈で人より長めな青春時代を過ごし、
目の前の楽しいを追い求め生きてきました。

美術史を勉強したく浪人を経て美術大学に入ります。が、
美大に入ったら、みんなが目的を持っていていることを知り、
自分が何にも特化していないことに気づかされ、

結局、毎日ダンスとお酒とパーティーに明け暮れるという、
ここでもまた目の前の楽しいに全力疾走。
胸を張って言えます。超楽しい大学時代。

大学時代に犬の洋服をつくる仕事に誘われ、
そこからものづくり世界にドップリはまっていきます。

20代、昼間は仕事し夜は渋谷へ飲みに行くという日々。
よく飽きないなと思うくらい飲みに行っていたと思う。
この頃の飲み屋で培われたコミュニケーション力がとても役に立っています。

(↑長浜市木之本町大音の養蚕の現場)

現在、滋賀県長浜市木之本町という所に住んでいます。
生まれも育ちもこの地ではない私のことは、
地元の年齢層高めな方達にとって謎の生命体に見えているようです。

確かに、お尻が見えそうな短いズボンを履き、
お尻が出てなければヘソを出し、
金髪でカラコン、化粧バッチリ、
東京だったら街を歩いていてよく見かける格好でも、
ここでは宇宙人との遭遇状態になります。

この未知の生命体という認識からの脱却に、
飲み屋で培ったコミュニケーション力を発揮します。
地域に入り込んで活動する理由は
今まで見ることのできなかった世界を見ること、
聞くことのできなかった声を聞くことです。

そのために等身大の自分でぶつかっていき、信用してもらえるかどうか。
心を許してもらえた先の聞ける言葉は全然違います。

もちろんお酒を飲む場になったら、そりゃもう、私の得意どころ。
喋るってとても難しいです。プレゼンは未だに苦手です。
でも、目の前の相手が心を開いた瞬間を感じられるのは最高に興奮します。

だから、私の人生の「遠回り」と「無駄」は
今私のとても重要な武器になっています。

 

なぜ長浜に辿り着いたのか、意味がないことは一つもない

 

(photo by Tomohisa Kawase)長浜シルク産業未来会議vol.1の写真

今、現場部隊の私は滋賀県長浜市木之本町にいます。
「地方で暮らしたかったの?」
と聞かれたら、瞬殺で答えられます。
「いいえ。」

東京のネオン大好きです。24時間眠らない街、大好きです。
東京が好きな理由は、誰でもない、なんでもない自分でいても受け入れてくれる、
そんな街だから気がラクなのだと思います。(いやーこれは、夜の場限定の話かも。)

しかし、そこそこオトナになってきて、
何者かである自分になりたいと思うようになりました。

そんなことを思っている時に、石井がロンドン留学から帰ってきたのです。
帰国後、福島県郡山市で行われたアーティストインレジデンスに参加していて
私は石井の助っ人として郡山に行きました。

その時出会ったのが張り子職人の橋本彰一さん。
高柴だるまをつくり続けるデコ屋敷大黒屋21代当主です。

彰一さんと話している時に
「張子職人としての作業着が欲しい。」
という言葉を聞き、間髪入れず
「私、つくります!」

言ったはいいものの、張子職人のことも、大黒屋のことも、わからない!
だから弟子入りをしました。
朝から晩まで職人たちと大黒屋で一緒に過ごし、
職人たちの言葉を聞き、張子をつくるということ体感する。

それは、お母さん達からの愛の乱れ打ちを受けながら生活です。
ほんとに最高に素敵な方達なのです!!!

完成した作業着の形にも色にも模様にも意味があります。
意味がない部分は何一つありません。


 

この経験のおかげで遠い世界だと感じていた伝統工芸の世界、職人の存在が
ぐっと近づき、もっと知りたい、もっと会いたいと思いました。

そして出会った素敵な人たちのことをたくさんの人たちにも知ってほしい。
彰一さんとの出会いが「仕立屋と職人」結成のきっかけです。

 

郡山の弟子入りが落ち着いてきた頃、
滋賀県長浜市に来ないかい?というお話をいただきました。

関東生まれ関東育ちの私としては関西エリアへの初進出。
そして、今長浜市で長浜シルクを盛り上げようと力戦奮闘しています。

長浜に来て絹に触れていくうちに、そもそも絹って何なんだ!
そう思い、近所の養蚕をしている現場に通い詰め
蚕が繭になり生糸になっていく姿を追い続けました。
(むしろいつも勝手に一緒に桑の葉取りについていって
勝手に蚕のお世話のお手伝いをしていた感じも否めない。)

 

なぜ絹が高いものなのか、なぜ絹がいいと言われるのか、
時代が変わろうとも絹がなくならないのはなぜなのか。
それを知りたくて、物事の始まりから掘り下げにいきます。

蚕を追い続けた記事です↓
是非、木之本町大音の愛を感じてください。
note note.mu/shitateya_story

 

私が仕立屋と職人をやる原動力、数値化できない心の揺さぶり

 

自分の心が震えなければ
相手の心を震わすことはできない。
上っ面の言葉は誰にも響かない。
そう思っています。

震えるって何?
あたしにもわかりません。
わからないからこそ、初めて出会う感動や興奮を大事にし、
この感覚ってなんだろうと分解していきます。


 

そして、私がずっと持ち続けている気持ちは
職人に対して最上級のリスペクト

一代では築くことのできない歴史。
人生を懸けた仕事。
守り続けられた技。
未来につなげる挑戦。
そこから生まれる職人の哲学。

 

文献にも、ネットにも載っていない事実が
現場に行って職人と会って知ることができるという体験は
最高に貴重で、いつも興奮するし、そこには愛があります。
もう、これは、知ってしまったらやめられない。

数値化できない世界で生きてきた職人の生き様を
数値化できない私の心の揺さぶりで感じ取り
それを私の言語で伝えていく。
これが私の仕立屋と職人での重要任務です。

そんなニュアンスなことだけを言っていたって
仕事として成り立たないし美味しいご飯も食べられないし
大好きなビールも飲めません。

職人の生き様だけを発信しても職人の収益にはなかなか繋がらない。
モノだけ売ろうとしても職人の生き様はなかなか伝わらない。
生き様もモノも両方届けることが絶対に必要だと信じています。

職人への最大級のリスペクトを最大限に表現する。
仕立屋と職人のメンバーそれぞれのフィールドと観点から
職人の世界を伝えることができたら、一つの世界に様々な解釈ができる。
そのために仕立屋と職人がいます。


 

私の記事だけ読むと「いまいち仕立屋と職人がわからない」そうお思いでしょう。
大丈夫です。他のメンバーの記事を読むと全貌が明らかになります。
今回は私の熱いパトスです。
他のメンバーのまた違うパトスをお楽しみに。

 
 

名前:ワタナベユカリ
職種:仕立屋と職人 縫子 , 愛の伝道師
出身:埼玉県

ものごとの根本から掘りかえし、ものづくりをする、仕立屋の現場密着部隊。

仕立屋と職人

職人魂に心を揺さぶられ、隣にいる誰かに伝えたくなる。そんな職人の生き様を仕立てるのが、仕立屋と職人の仕事。
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note 仕立屋の日記

 

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ふたりごと文庫編集長 浅野有希

ふたりごと文庫編集長 浅野 有希
産業能率大学4年生。
大学2年生の時、ニッポン手仕事図鑑のインターン生として参加し、
2周年感謝イベントや期間限定ショップのスタッフとして活動する。
現在は「日本の地方の魅力を伝える仕事」に就くため、日々猛勉強中!

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