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2019年03月01日

雪の中の和紙工房 伝統工芸としての内山紙編

長野県飯山市の伝統工芸、内山紙。
職人、阿部一義さんの工房には、その魅力にひかれた方々が見習いに来ています。

 
前半で紹介した通り、魅力にあふれた内山紙ですが、
若い後継者の不足、伝統工芸品の需要減退など、
日本の伝統工芸の多くの現場と同様、現在沢山の問題を抱えています。

伝統工芸品の需要減退と内山紙の挑戦

 

前半でも触れましたが、内山紙は主に障子紙として加工されています。

しかし近年、日本の住居は和室から洋室へとシフトする傾向にあります。

もちろん、障子紙以外にも懐紙、ラッピングペーパと様々な用途で商品化されていますが、
天然素材100パーセントかつ時間と手間がかけられた和紙は、
機械で大量生産される紙と比べて安価なものではありません。


 

そこで、様々な内山紙制の新しい製品が開発されています。

(卒業生自作、内山紙の卒業証書)

 

(和紙制クッション)

 

丈夫な内山紙のクッションは、なんと30年使い続けられるとのこと!

(ランプシェイド)

 

内山紙を通したランプの灯りはほのかで柔らかく、暖かみを感じます。

和室から洋室へとシフトしている現状に一番適した製品として期待されています。

時代に合わせた内山紙製品の変容
素敵でしょ。

 

若い後継者の獲得

 

この問題は現在、日本の数々の伝統工芸の現場が直面している問題です。
伝統工芸の職人って、夢のある響きですが、
収入が安定しづらく、県自治体からの経済的支援があっても厳しいと言います。

飯山市から首都圏に出た若者のUターンする率も低下しており、
内山紙の工房に限らず、若者の人手不足も深刻です。

現在阿部さんの工房でも若い後継者の不足が問題となっています。


 

今回皆さんの工房にお邪魔させていただき、日本の伝統工芸の魅力と価値を
再確認することができました。

機械で大量生産が主流の時代ではありますが、人の手で丹精込めて作られたものには、
暖かみとか味とか、制作の過程や作った人の愛情と思いが裏に透けてみえるような、
なんともたとえがたい不思議なものがあります。

今回が私たちの初めての伝統工芸の現場の取材でしたが、
その魅力をこれからもっと多くの人々に伝えていけるように何をしていくべきか、
深く考えさせられました。

 

名前:柳葉優有
職種:ふたりごと文庫編集部
出身:福島県

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