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2019年03月30日

飯山市の非公認B級グルメ「サバごはん」とは

ふたりごと編集部メンバーは長野県飯山市で取材旅行をし、飯山市の魅力をたくさん教えていただきました。今回は飯山市の意外な一面についてご紹介いたします。

実は、飯山市は鯖缶の消費量が日本一なんです!その飯山市でひそかに人気を集める 飯山市非公認名物 、それがさばごはん です。

今回はさばごはんの生みの親、笹寿司屋ぜにがめ堂の岩崎さんにお話を伺いました。

さばごはんとは、さばの水煮の缶詰とタケノコまたはキノコなどの具の炊き込みご飯です。岩崎さんは飯山市に高校卒業ぶりにUターンした時、奥様に「なにか地域に根付いたものを作ったら?」と提案を受け、飯山市の郷土料理である笹寿司のお店を営むことにしました。

しかし久しく飯山に身を置いていなかった岩崎さんにとって飯山での笹寿司屋の経営は難しく、当時の不況も重なって4枚で500円の笹寿司の売れ行きは順調なものではありませんでした。

そこでパートさんのまかないとして作っていたさばごはんを商品として300円で売り出すと笹寿司よりも売れ、現在もぜにがめ堂の人気商品です。そもそもなぜ、飯山市では鯖缶が多く消費されているのか。

冷凍冷蔵技術が発達していなかった時代、飯山市では肉の代わりに保存できる動物性たんぱく質として鯖缶が食べられてきました。

その味が根付いていることと、価格と手間の手軽さから現在でもカレーなど家庭料理で肉の代わりに鯖缶を使う家庭は多いといいます。また飯山の酒蔵の地酒のおつまみとしても食されています。

かなり前から飯山市で親しまれてきた鯖缶ですが、なんだか少し貧乏くさくて恥ずかしいという理由で、飯山市自身あまり積極的に鯖缶消費量日本一を公表していません。

しかし近頃、鯖缶はダイエット食品、健康食品として期待されており、ナウな食べ物としてテレビや雑誌でも紹介されています。

現在岩崎さんはこの鯖缶ブームにのって、さばごはんを市の名物のB級グルメとして観光客にも売り出していきたいということで、レシピの公開もしています。(長野県知事賞受賞)別に名物じゃないよ。

長野県非公認B級グルメ市のイベントや店頭で売り出すときは、このようにくすっと笑ってしまうようなキャッチが目を引きます。岩崎さん「なぜなら、うちは笹寿司がメインだからね。(笑)」岩崎さんは、鯖缶のブームを機に飯山市の名前を広めていきたいといいます。飯山市は野沢温泉にも近く、冬にはオーストラリア人も多く観光に来ます。

今すぐにとはいかなくても、いつか田舎に行きたいと思ったときや観光で近くまで来た時に、鯖缶の町飯山として名前を覚えてもらうことで、人を呼び込むきっかけになります。

人口約二万人、少子高齢化が進む飯山市には、今後を考え創造していく知恵と行動が必要です。

名前:柳葉優有
職種:ふたりごと文庫編集部
出身:福島県

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