みんなの「”あの人”に知ってほしい!」をつなぐオンラインマガジン
2018年09月26日
【堀口正裕さんインタビュー】“いろんな人に会う”ことの大切さ。
こんにちは!ふたりごと文庫編集長の浅野有希です。
今回は少し変わったインタビュー記事をお送りいたします!
8月29日から9月7日まで、産業能率大学二年生の2人がインターンとして来てくれていました。
これは毎年恒例で、私も二年前にこのインターンでニッポン手仕事図鑑に出会ったんですよ!私も彼らを見ていると懐かしく思えます。
毎年様々なことをしますが、そのメニューの一つとして、雑誌『TURNS』の堀口正裕さんにお話を聞きに行くというものがあります!
私は2年前のこの日、目の前がパァーっと開けるような感覚を味わい、大きな転機となりました。
今回は私が“編集長”として、その様子を記事にします!
すごくいいお話が聞けたので、ぜひご覧ください。
ということで、今回のインタビュアーはこのお二人。(写真左側)
柏原彩里
あだ名は「かっしー」
中学一年生からずっと音楽
髪の毛がもったいなくて、一部だけ生まれてからずっと伸ばしています。
「地域活性」に興味があるそう。
向田健人
あだ名は「でんでん」
旅行とバスケットボールが好き
今年、湘南キャンパスから自由が丘キャンパスへ転学部しました。
「広告」などに興味があるそう。
堀口正裕さん
雑誌『TURNS』プロデューサー
株式会社第一プログレス常務取締役
国土交通省 二地域居住等の推進に向けた有識者委員
農林水産省 農業の働き方改革検討会委員
ビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)「Tourism Leaders School」講師
社会起業大学講師、丸の内朝大学講師
TOKYO FM『Skyrocket Company』 内「スカロケ移住推進部」ゲストコメンテーター
その他、全国各自治体の移住施策を手掛けています。
“幸せの価値交換”が行われる地方の豊かさ
―堀口さんは様々な地方に行かれていると思いますが、「地方だからこその魅力」って何ですか?
まず、私は「東京VS地方」という考え方は持ってないんです。
東京も大好きですし、魅力的な人や“人間力”の高い人もたくさんいます。
それを前提として、私が思う地方の一番の魅力は「お金じゃない価値の交換」ができるということでしょうか。
例えば、ジャガイモがたくさん摂れたら「軽トラックが必要だよね!」って貸してくれるんですよ。お金じゃなく、必要なものを貸してくれます。
私はこれを「幸せの価値交換」だと思っていて、それがよく行われるってすごく素敵じゃないですか?
そうすると、付き合い方も真剣になってきますよね。
東京だとどうしても競争社会になってしまいますが、地方にはそんな“自分を鍛えてくれる先輩”がたくさんいます。
―地方によっても、その付き合い方・繋がり方って変わってきますよね。
そうですね。今、いろんな繋がり方があります。
“移住”は簡単でも、“定住”って案外難しいんですよ。
『TURNS』はよく移住雑誌だと言われるけれど、そうではないんです。
人口が減っていくというのは止められることではありません。
この人口減少社会の中では、まず「選んでもらえる地域」になることが大事です。
これを「関係人口」と呼びますが、すごく大事なことだと思います。
東京には、東京出身の人って少ないですよね。いろんな地方から集まってきています。
だから意外と、東京には地方のことを考えている人が多いです。
―地域活性のやりかたってたくさんあると思いますが、一番TURNSとして大切にしていることって何ですか?
いろいろあるけれど、「そのままを伝える」ということですね。
色を付けないで、課題も含めてありのままを伝えます。
その地域に課題があって、それを乗り越えるストーリーにこそ読者の共感を呼ぶカギがあると思うんです。
うまくいっている地域ってたくさんありますけど、悲しいことにそうではない地域っていっぱいあるんですよ。
そういう現場もまだまだあるので、「地方礼賛」っていうのは少し無責任かなと考えています。
現実もきちんと伝えなきゃいけませんし、TURNSとしての使命だと思うんです。
あとは、同じ志を持って、一緒に地域を見て学んでくれる人を見つけるようにしています。
いわゆる“地域のキーマン”といわれる人ですね。私は現地に行っていろんな人と繋がっていく中で、
「この人にスポットを当てれば、我々は共感を持てるなあ」という見方をするようにしています。そしたらどんどん仲間が増えるじゃないですか。
―堀口さんが地方の良さを感じるようになったのは、いつ頃からでしたか?
大人になってきてからですね。私は北海道で生まれて、
それからすぐ宮城、埼玉と南へ移動してきたんですけど、大人になってから故郷を思うことがかなりあって。
だから、地域の豊かさとか、面倒くさいと思っていた組合や消防団など、すごく必要なことなんだって思えるようになったんですよね。
今、群馬県富岡市で高校生によるまちづくり講座を開講しているんですけど、
高校生がまちづくりを「楽しい」って言ってくれているのを見ると、素直に「すごいな」って思いますね。
私の若いころなんて全然そんなことは考えていませんでしたよ。
今打ち込んでいるものが将来の自分をつくる
―学生生活はどんなことをしていたんですか?
学生時代は合気道をすごく一生懸命やっていましたね。
今でも道場で子供たちに教えているほどです。合気道で幅広い世代の人と付き合っていたことが、今の仕事を作っていると思います。
幅広い世代の人と付き合っていると謙虚になれるんですよね。
同じ世代の仲間と一緒にいると、「その中だけの価値観」でいっぱいになってしまいます。
世の中ってそれだけではないですし、もっと広いので。
利害関係なしに、いろんな世界でいろんな年齢層の人と関わることは意識していましたね。
―今、何をすればいいかわからない場合はどうしたらいいでしょう?
今ただ好きでやっていることって、将来に繋がると思うんですよ。
向田さんはバスケットボールが好きと言っていましたが、
3人制バスケットリーグの3×3(スリー・バイ・スリー)は地域活性の分野ですごく可能性があると思うんです。
というのも、今一般人でもスリー・バイ・スリーでオーナーとしてチームを持てる制度があるんですよ。地域のスポーツチームって、熱狂的なファンが増えていくじゃないですか。
それってまさに地域活性なんですよ。
だからスリー・バイ・スリーの場合、その地域が好きになったらオーナーとしてチームを持って、地域を応援できるんですよ。
その視点で考えれば、地域活性をやりたいと思ったときに、好きでやってきたバスケットボールが生きるじゃないですか。全部繋がるんです。
私は埼玉県狭山市に家があって、趣味で3反もの畑をやっています。
また、父亡き後、兄が継いだ合気道の道場を一緒に盛り上げ、地元の子供たちに指導しているんですね。
「畑」と「合気道」っていうのは、私にとって絶対に外せない二つなのですが、
兄弟の中で私だけ祖父母について畑に行っていたし、合気道も学生時代からずっと取り組んできたことなんです。
ずっとやってきたことが、私の根幹を支えてくれています。
今打ち込んでいるものが将来に繋がらないわけがないし、繋げていかなければならないと思うんです。
―では、私は地域活性に興味があるのですが、何をしておけばいいでしょうか?
“どれだけたくさんの人に会えたか”が勝負だと思います。
「自分は人に会ったことなら誰にも負けないぞ」ってくらい、いろんなところに顔を出していろんな人に会うことが何より大事ですね。
メディアを運営する力って、結局はすべて「コミュニケーション力」だと思っているんです。
もちろん英語ができればさらにいいけれど、英語もコミュニケーションのひとつですから。
ぜひ、いろんな人に会ってください。
堀口正裕さん、ありがとうございました!!
そして、8日間のインターンを終えた産能生のお二人。すべてのことに真剣に取り組んでいたのが印象的でした。お疲れさまでした。
名前:浅野有希
職種:ふたりごと文庫 編集長
出身:埼玉県地域活性化を志す産業能率大学4年生。ニッポン手仕事図鑑にて毎日勉強中!旅行と美味しいものを食べるのが好き。
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